真珠ネックレス修理とお手入れの仕方、切れてしまった時の対処方法

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久しぶりに冠婚葬祭があって、しまっておいた真珠のネックレスを取り出したらバラバラと切れてしまった!というご経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか?「え~、もう今週使うのに!」と焦ってしまいますよね。

そうなってしまわない様にするには、真珠ネックレスのメンテナンスが必要です。今回は真珠のネックレスについて、お手入れの方法・切れてしまった時の対処法・ネックレスの糸替え修理の方法についてご紹介していきます。

その他、真珠の成り立ちについては「真珠 (パール) ってどんな宝石?真珠のでき方や種類、歴史を解説!」を、選び方や装い方については「普段用から冠婚葬祭まで!真珠の選び方と装い方・種類による使い分け」をご覧頂けましたら幸いです。

 

真珠のネックレスが痛んでしまう理由

真珠のネックレスが痛んでしまう箇所は大きく分けて2つ。真珠そのものとネックレスを繋いでいる糸が痛んでしまう場合です。それぞれ原因が異なり、行うべきお手入れの方法が違いますので、まず、傷んでしまう箇所と理由について見ていきましょう。

真珠の珠そのものが痛むとは?

天然真珠の場合
天然真珠の場合はカルシウム質の薄い膜が何重にも重なり美しい真珠光沢を放っています。汗や化粧品の付着によって表面のカルシウム質が溶けてしまい、光沢が無くなったり黄色味を帯びた変色が現れます。
人工真珠の場合
人工真珠はプラスチックの玉に塗装を施すなどの方法で作られています。そのため、汗には強いですが、アルコール成分や摩擦、ぶつけてしまった時などに表面塗装が落ちて中のプラスチック色が露出してしまいます。

ネックレスを繋いでいる糸が痛むとは?

真珠・象牙・水晶のネックレスなど、全周が宝石で組まれているネックレスは宝石の金額の高低に関わらず、多くの場合が素材の中心に穴を開け、その穴に化学繊維の糸やステンレスワイヤーを通して仕組まれています。

糸は有機物ですので、どんなにネックレスを丁寧に扱っていても経年によって水分を失い切れやすくなってしまいますし、ステンレスワイヤーであっても汗や宝石との擦れによって起こる僅かなサビや傷から切れてしまうことがあります。

 

真珠ネックレスのお手入れの仕方

真珠ネックレスをお手入れする際には、真珠の玉と糸やワイヤーそれぞれを気にしてあげながら行うことが必要になります。真珠は繊細な宝石ですので「自分でお手入れすると壊してしまうかも」と思われる場合はジュエリーショップに相談しましょう。

原則として水やお湯に浸けるのはNG!

多くのジュエリーではお水やお湯に浸して宝石表面に付着している油分を取ったり、超音波洗浄機を使用して洗浄を行いますが、真珠、特にネックレスになっているものについてはこれらの方法は絶対に行わないで下さい

真珠表面のカルシウム質に影響がある他、芯材になっている糸やワイヤーが切れやすくなりジュエリーの寿命を大幅に縮めてしまいます。万が一、水分に浸けてしまった場合には直ぐにジュエリーショップに対応してもらいましょう。

このことは真珠だけでなく天然石やビーズ連のネックレスにも言えます。天然石やビーズの場合、そのものに影響が無いことが多いですが、芯材のワイヤーが切れやすくなります。「ワイヤーの錆が汚く見えるから洗ってみよう!」といったことは避けてくださいね。

真珠ネックレスのお手入れ方法

着用後、お家に戻られたら、清潔な乾いた柔らかいタオル、薬品のついていない眼鏡拭き、真珠専用の磨き布のいずれかで真珠全体をさっと拭いてあげて下さい。ゴシゴシ拭いてしまうと糸やワイヤーに負荷がかかり切れやすくなってしまいます。

薬品のついていない眼鏡拭きを使用する場合は眼鏡との共用を避け、真珠用に1枚用意してあげると良いです。

「本当にこの程度でいいの?」位の力の入れ方で丁度良いと思います。ポイントは強くしっかり拭くのではなく着用後に直ぐに拭いてあげることです。真珠はカルシウム質ですので、汗や化粧品に触れている時間が長ければ長いほど劣化してしまいます。

特に夏場は汗ばみ、落ちてしまったお化粧が玉に付着しやすいので、ご使用後は毎回拭いてからしまうようにして下さい。人工真珠の場合はこの限りではありませんが、塗装の剥げや色落ちを考慮すると同じようにお手入れしてあげるのが良いでしょう。

 

真珠ネックレスの糸替え時期の目安

使用頻度や保管状況によっても異なりますが、糸を使用して組まれているネックレスの場合は2年から3年位で糸替えのメンテナンスをしてあげると比較的に安全にお使い頂けると思います。5年を超えると使用状況に関わらず糸が弱ってしまうことが多いです。

ステンレスワイヤーの場合は糸に比べて長持ちしやすいですが、曲がり跡がついてしまっていたり錆びがでてしまうと急激に強度が下がりますので、5年を目安に交換してあげた方が良いでしょう。特に重さのあるネックレスの場合は定期的なメンテナンスが必要です。

真珠ネックレス糸の健康状態の確認方法

お持ちの真珠ネックレスを真っすぐ伸ばした状態で金具部分を指で摘まんで持ち上げて下さい。この時に金具と真珠の間に糸が半玉分くらい見えていたら糸が弱ってきたサインです。そのまま使い続けてしまうと糸が切れてしまいますのでご注意ください。

真珠ネックレスが切れてしまう主な原因は、糸が伸びてきてしまったネックレスをそのまま使い続けることで玉にあいている穴のヘリと糸が擦れ、ヘリが刃物の役割をして切ってしまうケースが多いです。また、糸そのものも伸びてくることで強度が落ちています。

真珠ネックレスの糸が切れてしまった時は?

慌てずに落ちてしまった玉をできるだけ集めて下さい。集めた玉をジュエリーショップに持っていけばほぼ元通りに繋ぎなおしてもらえるでしょう。玉が足りない場合にはお持ちの真珠ネックレスにあわせて玉足しも可能ですのでご安心下さい。

切れてしまった当日にどうしてもネックレスを使わなければならない場合は、器用な方であれば釣り糸や裁縫糸で応急的に繋いで使うことも可能ですが、いつ切れてもおかしくない状態ですので目的地で身に着け、短時間で外した方が良いでしょう。

この代用方法は糸が切れて玉を失くしてしまうリスクが非常に高いので試される場合は自己責任でお願いします。ご使用後はできるだけ早くジュエリーショップで糸替えのお修理依頼をして下さいね。

 

真珠ネックレスの糸替え修理について

糸替えお修理される場合の目安となるよう、当店の場合の真珠ネックレスの糸替え・ステンレスワイヤー替えの種類や料金、お預かり日数をご紹介致します。ジュエリーショップによって異なりますので参考程度にご覧ください。

糸替えの種類と方法

糸・左右3ノット
ポリエステル糸を使用し、金具から左右3箇所づつ結び目を作る標準的な方法です。アコヤ真珠に適しています。
糸・オールノット
ポリエステル糸を使用し、全ての珠の間に結び目を作る方法です。形が不ぞろいの真珠に適しています。
ステンレスワイヤー
ステンレスワイヤーを使い、金具近くをカシメ玉で留める方法です。南洋真珠などの重い玉や人工真珠に適しています。
ステンレスワイヤー・オールシリコン
ステンレスワイヤーを使い、全ての玉の間に小さなシリコンを挟みカシメ玉で留める方法です。変形玉に適しています。

金額やお修理にかかる時間

糸・左右3ノット
ステンレスワイヤー
日数
3日から5日位
料金
2,800円 (税込/40cm)
+40cmごとに+1,400円 (税込)
+1,000円 (税込) で事前連絡による当日仕上げ
糸・オールノット
ステンレスワイヤー・オールシリコン
日数
3日から5日位
料金
5,000円 (税込/40cm)
+40cmごとに+2,500円 (税込)
+1,000円 (税込) で事前連絡による当日仕上げ

※ベビー珠 (5mm以下の小さな玉) の場合やロングネックレス、特殊な組みの場合はお日にちを頂くことがございます。

お修理の時に伝えた方が良いことは?

既にご使用予定日が決まっている場合は、お修理の依頼時にショップへ伝えておいた方が安心です。また、ネックレスの長さについてもジュエリーショップと打ち合わせを行い、ご自身のお首回りやお洋服に合った長さに組んでもらって下さい。

特に冠婚葬祭などでお使いの場合は、ご使用予定のお洋服を持ち込んで長さを合わせてもらうと良いでしょう。糸替えしてお譲りになる際は、今後お使いになる方のお首回りをメジャーなどで事前に測ってショップに伝えると、合った長さに直してもらえます。

 

まとめ

真珠のネックレスが痛んでしまう原因からお手入れ方法、お修理に出す際の目安やポイントをご紹介させていただきました。玉と糸部分の両方を気にしながらご自宅でのお手入れを行う必要があるため、他のジュエリーに比べ少しデリケートかもしれません。

しかし、ご使用の度に優しく拭いてあげることでネックレスの寿命をかなり伸ばすことができますし、愛着もわきますね。今回のお話は真珠ネックレスを中心にお話を進めさせて頂きましたが、他の天然石やビーズのネックレスにも応用の利く内容になっています。

ジュエリーやアクセサリー全般のお修理を承っております当店では、真珠の糸替えお修理はもちろんのこと、象牙・水晶・アメジスト・ジェット・ビーズなどの糸替えお修理も承っておりますので、お気軽にご来店ください。

お持ちになっている真珠ネックレスを末永く、大切に扱って下さったら嬉しいです。

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