いつも着けている指輪をふと見てみると「ダイヤモンドが1粒無い!でも、どこかでぶつけた記憶は無いし、どうして?」そんなご経験はありませんか?また、外れてしまったわけではないけれど、宝石が欠けてしまっていたという方もいらっしゃると思います。
指輪は主に金属と宝石で出来ているので「そんな簡単に壊れない」という先入観があるかもしれませんが、意外と脆く、日常生活のちょっとしたことで傷ついてしまうこともあります。破損してしまう多くが『無意識に行っている』状況で起こることが多いです。
そこで、今回は指輪が傷ついてしまいやすいシチュエーションや対策、壊れてしまった時のお修理についてご紹介させて頂きます。
アクシデントが起きやすい指輪
宝石の留まった指輪や繊細なデザインの指輪、そしてアームの幅が細い指輪などは変形しやすく注意が必要です。特に、最近では細いアームが主流ですので、無意識に傷つけてしまいやすいシチュエーションを覚えておくことが重要になってきています。
結婚指輪などの金属のみで作られたシンプルなデザインの指輪は、変形こそしてしまうことがありますが、重大な破損を起こしてしまうことはあまりありません。そのため、シチュエーションを気にせずに着けていても、問題が起こってしまうケースは少ないです。
無意識に指輪を傷つけてしまう6つのシチュエーション
それでは、どんな場面で『無意識』に指輪を傷つけてしまうことが多いのでしょうか?特に注意すべき状況を6つご紹介致します。
食器を洗う時
宝石がついた指輪の場合は食器洗いの際、必ず指輪を外すようにして下さい。調理器具や食器で指輪を傷つけてしまう他、別の要因で外れかかっていた宝石が外れて排水口に流れてしまう可能性もあります。また、調理器具や食器も痛めてしまいます。
洗濯する時
宝石の留まっている指輪の爪と宝石の間にお洋服の繊維が入り込み、爪が起きて宝石が外れてしまうことがあります。また、衣類も気づかずに破れてしまいます。お洋服のショッピングの際も同じ理由で指輪や商品を傷つけてしまうことがあるので注意が必要です。
重い荷物を持つ時
スーパーで購入した水やお米等の重いものをエコバックなどで手持ちする際には、指輪を巻き込まない様に持って下さい。荷物の重みで指輪が変形してしまいます。エタニティリングなど、宝石が多く留まった指輪は変形により石が外れてしまうこともあります。
電車のつり革やポールを握る時
電車のつり革やポールに掴まる時は、指輪を挟んで握り込まないように持ちましょう。電車が揺れた際に、つり革やポールを握る手に強い力が加わります。その際に指輪が支点になっていると大きく変形し、宝石が外れてしまいます。
自転車やバイクを運転する時
自転車やバイクを運転する際は、できれば宝石の留まった指輪は外して下さい。思わぬ飛び出しなどで急ブレーキをかける際、指輪を握り込んでしまうと指輪が変形して石が落ちてしまいます。また、転倒時に指や宝石を傷つけてしまうこともあります。
拍手する時
結婚式や観劇、パーティ等で両手に指輪をつけている時には、拍手の仕方に工夫が必要です。両手に指輪をつけた状態で無意識に拍手すると、指輪同士を何度もぶつけ合わせることになってしまい、気が付いたら指輪が傷だらけだったというお話もございます。
大切な指輪を傷つけてしまわないための3つのヒント
結婚指輪などの金属のみで作られている指輪の場合は、変形してしまったり、小傷が付いてしまっても、比較的に容易に復元できるので、そこまで神経質になる必要はないと思われますが、宝石のついた指輪を着ける際には下記を参考にしてみて下さい。
指輪に使われている金属と宝石の種類・特性を知っておく
指輪の購入時に、金属と宝石の種類・特性などをショップの店員さんに確認しておきましょう。宝石の中には酸やアルコールに弱い石もあり、気が付かないうちに傷んでしまう石もあります。ご購入後の場合でも対応してくれるショップは多いと思います。
参考: 外出時に気を付けたい除菌アルコールによって影響を受けやすい宝石
無意識に指輪を傷つけてしまうシチュエーションを覚えておく
なんとなくで構いませんので、今回ご紹介させて頂いた『指輪が傷つきやすいシチュエーション』を覚えておいて下さい。家事やお買い物など、「あ、そういえば!」と意識して下さるだけで破損してしまうことを防げるケースが多いです。
必要な状況に応じて指輪を外す
不可抗力で力の入ってしまうことのある電車内や自転車の運転中などは、宝石の留まった指輪は極力外すようにして下さい。ただ、指輪を外すと失くしてしまいやすいので、指輪を入れる専用を袋を用意して、バッグの決まった場所にしまう様にしましょう。
指輪の破損に気が付いた時は?
宝石が無くなっていた等の指輪の破損に気が付いた時は、そのまま使用せず、お近くのジュエリーショップに相談して下さい。そのままお使いになられていると、他の石も外れて失くなってしまう等、被害が拡大し、お修理費用も多くかかってしまいます。
完全に元通りになるとは限りませんが、多くの場合、破損してしまってもお修理は可能です。下記がお修理例になります。
- 指輪が変形して小傷がついてしまった場合
- 指輪の形を整えて磨き直します。
- 宝石が落ちて失くなってしまった場合
- 近いサイズ、近い品質の宝石をご用意して石留めします。
- 石を留める爪が折れている場合は爪を作り直します。
- 宝石が傷ついてしまった場合
- 再研磨可能な宝石は、石を外して再研磨してから留め直しを行います。
宝石が落ちて失くなってしまった場合などは、石のサイズや品質の選定があるため、画像でのお見積りは難しいのですが、お品物をお預け頂けましたら当店でもお修理を承ります (お預かりからお見積りまで3日~4日程度の時間を要します)。
まとめ
過度に指輪の取り扱いを気にする必要はありませんが、破損してしまう原因の見当をつけておかないと、何度も修理が必要になってしまう可能性もあるため、『無意識のうちに指輪を傷つけてしまうシチュエーション』を知っておくことは重要なポイントです。
逆に言えば、今回ご紹介させて頂いた6つのシチュエーションを意識して頂くだけで、指輪が傷ついてしまうことを防ぐことができます。こちらの記事をご参考に、あなたの大切なお気に入りの指輪を末永くご愛用頂けたら嬉しいです。