これからご結婚されるお二人は、結婚式を挙げる・お披露目パーティーを開く・自宅でお祝いする等、様々な形でお祝いを計画されていると思います。結婚はお二人の大切な節目ですので、しっかり計画を立てて最高の一日を創りたいですよね。
幸せな結婚の日を創る上で来賓への挨拶などの言葉や、お料理・結婚指輪などのモノ以外に、色も大切な要素です。会場を彩るにふさわしい縁起の良い色や二人に幸せをもたらす色など、色について知っておくと計画の幅が広がります。
結婚にちなんだサムシングブルーという言葉を聞いたことはありますか?文字通り「何か青いものを」という訳ですが、この言葉にはどんな意味があるのでしょうか?今回は結婚の計画を立てる際に役に立つ色のお話をご紹介していきます。
サムシングブルー (Something blue) とは何か?
縁起の良い色全体に関するお話をする前に、先ずサムシングブルーについて解説致します。
サムシングブルーとは、結婚の時に花嫁が身に着けると幸せになれると言われている4つのグッズのひとつとされているもので、イギリスを中心としたヨーロッパ圏から伝わった願掛けです。4つのグッズをサムシングフォー (Something Four) と言います。
知っておきたいサムシングフォー (Something Four)
結婚の時に花嫁がつけると良いとされる4つのハッピーアイテムは以下のとおりです。
- サムシングブルー (Something Blue)
- なにか青いものをひとつ。公に見せずに目立たない様につけることが良いとされる。
- サムシングオールド (Something Old)
- なにか伝統のあるものをひとつ。家族との繋がり、家の歴史を継ぐといった意味がある。
- サムシングニュー (Something New)
- なにか新しいものをひとつ。二人の新生活を表す。白色 (始まりを表す色) のものが良いとされる。
- サムシングバロウ (Something Borrowed)
- なにか借りたものをひとつ。友人や恩人から借りたものを身に着ける。友情やコミュニティーを表す。
これらの品を身に着ける理由は単に縁起が良いからというだけではありません。人生を通して作ってきたご自身の環境・これから幸せな家庭を築いていくという婚約の誓い・二人を温かく見守って欲しいという想い、これら全てを含んでいます。
ですから、サムシングフォーに因んで例えれば、おばあちゃんやお母さんから真珠のネックレスや指輪を、ご友人からは一緒に遊んだ思い出の品やアクセサリーを借り、純白の手袋を身に着けて結婚式や結婚パーティーに臨まれるのも良いかもしれません。
なんでサムシングブルー (なにか青いもの) なの?
なぜ、サムシングブルーなのでしょうか?サムシングブルーが広まったイギリスではキリストの母である聖母マリアのイメージカラーがブルーであるからと言われています。また、日本だけでなくヨーロッパ圏も青は清潔・誠実・信頼といった意味がある色です。
そして、フランスの作家メーテルリンクの童話「青い鳥」に「青い鳥 (幸せ) は探し求めても手に入らない。なぜならあなたのすぐ隣にあるのだから」と語られる様に、青の意味には「幸せの色」という解釈だけでは表せない、思想的な「幸せ」があるのでしょう。
サムシングブルーの取り入れ方
幸せは感じ合うものという思想から、サムシングフォーのうち、他の3つは人から見える所につけるものとされているのに対し、サムシングブルーは人から見えないところに装うことが良い (結婚するお二人が感じ合うもの) とされています。
本国イギリスでは伝統的に、衣装ドレスのガーター部分に青いリボン飾りをつけることが慣例のようです。また現代では、結婚指輪の内側に小さなブルーダイヤモンドやサファイヤを石留めして身に着ける取り入れ方も人気です。
結婚に縁起の良いとされている色は?
続いて、日本で伝統的に縁起が良いとされている色をご紹介します。共感した色はご結婚の日に取り入れてみて下さいね。
- 白
- 純粋・純潔・無垢を表す。始まりの色、神聖な色
- 深紅
- 僅かに黄味のある深紅は日が昇っていく姿を表す。高貴な色
- 紅
- 美しさ・生命を表す。艶やかさ、力強さ、決意が感じられる色
- 紅梅 (ピンク)
- 愛情・安心を表す。桜や梅など日本の美がイメージされる色
- 朱
- 破邪・祝いを表す。神社や僧侶にも使われる正統を表す色
- 柿 (オレンジ)
- 陽気・実りを表す。温かさや賑やかな家庭を連想させる色
- 深緑
- 自然・生命を表す。年中葉が落ちることのない松葉の色
- 藍 (インディゴ)
- 誠実・信頼を表す。サムシングブルーとは心の中で分けて取り入れる
- 金
- 繁栄・財産を表す。金銭だけでなく心の富、人の繋がりを表す色
色そのものではなく、色から連想されるイメージで縁起色とされている場合が多いですね。寺社で使われている色や、お正月によく見かける色を思い浮かべるとイメージしやすいかもしれません。日本の七宝とされている宝物の色も、これらの色に当てはまります。
縁起の良い色の取り入れ方
結婚式・披露宴を挙げられる方やご結婚パーティーを開かれる方は、ドレスや会場に飾り付ける花や招待状などに、これらの色を使ってみてはいかがでしょうか?また、ご自宅でお祝いされる方もお部屋の飾りつけやテーブルクロスに取り入れることができます。
お好きな色や全体的にバランスの良い色でコーディネートして、会場づくりを行うのも良いですが、伝統的に縁起の良い色の意味を知り、取り入れ、「この色を使った訳にはこういう意味があって」と語られると、お二人の特別な一日により深みが増すことでしょう。
まとめ
サムシングフォーや日本の縁起の良い伝統色を取り入れることは、「幸せになったらいいね。」という他力本願ではなく、「二人で幸せになろうね!」という積極的な想いをさりげなく表現する方法として、とても良いと思います。是非、使ってみて下さいね。
今回は、ご結婚指輪のオーダーメイドを承る際に、頻繁にご質問を頂くサムシングブルーの解説と、結婚式・披露宴・結婚パーティーの際に是非取り入れたい、縁起の良い日本の伝統色についてご紹介させて頂きました。
「二人らしい結婚」の準備をする上で、計画のどこかで使えるヒントにして頂けたら嬉しいです。