ジュエリーポエム「檻」 ジュエリー 百のお話

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神奈川県の地域情報誌はまかぜ新聞の「はまかぜ」2月号金沢版にチーフデザイナー坂東幸香のジュエリーポエム「檻」をご掲載いただきました。

 

坂東幸香

雪は止まず 三週間になる
腹ペコの雪豹は自分の腹と心の戦いの中にいた
音も無く降りしきる白き雪に
呼吸を合わせて瞳を閉じている
小さな動物たちは弱気な雪豹が
狩りを諦めて死んだと思い
鼻先を通り過ぎて行く

違うのだ 悩んでいるのだ
強き肉食獣として生まれた
弱い者は自らのエサだ。ただ生きるだけなら・・・
けれど
雪豹が望んでいる事は、生より友
腹が膨れる度に悩み悲しみ
生きている自分を戸惑い呪った

今から、友を友として自分を生きる
と、誓って・・・十三日目が過ぎた

腹ペコの雪豹は大きく息を吐いた
ゆっくり身体を起こし
持てる力をすべて使って
心の檻から這い出てきた

明日へ向かって

 

ホワイトゴールドにブラックダイヤモンド、瞳は透明感のあるブルーサファイヤ、鼻は日本の伝統技法の赤銅を用いた指輪です。

髭、キバ、爪には全体的なイメージにあわせてブラックメッキを施しました。雪豹の肌の斑点を大小のブラックダイヤで表現しています。

ホワイトゴールドを使い、眼下と心の中に降り続く重たい「雪」を感じられるようにテクスチャーを繰り返し工夫しました。

雪豹全身をデザインにするのではなく、特徴的な部分を切り取って立体感と躍動感を生み出せるように努めました。「雪の中」で「心の檻」を蹴破る情景を指輪にしています。

柵と雪豹の顔の間に僅かに空間を作り、檻を曲げて腕を突き出させる事で、新たな決意を固めた雪豹が、力強くこちらへ向かって檻を破る場面が表現できていたら嬉しいです。

自分の気持ちが少し不安になって、前に進む勇気を後押しして欲しい時に、流されないで頑張ろうかな!と思える指輪にデザインしました。

 

「ジュエリー百のお話」は、オリジナルジュエリーの制作の際や、ジュエリーのオーダーメイドリフォーム時にあわせて創っています。

お話は、不定期のコラムとして神奈川県内のフリーペーパーはまかぜ新聞「はまかぜ金沢版」で、連載させて頂いております。

オーダーメイド・オーダーリフォームをされる際に、「わたしのジュエリーにも詩をつけて欲しい!」というご希望がございましたら遠慮なくおっしゃって下さいね。

ジュエリー優をご利用される方々が、それぞれの想いでジュエリーやアクセサリーを好きになって、笑顔が増えていくことを願いながら日々私達はデザイン・加工・情報発信をしています。

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