ジュエリーとアクセサリーはどう違う?金種で比較する金額と耐久性

オーサー
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ジュエリーブランドショップを眺めていて「このリング可愛いな!でも金額が・・・」と思っている時に、たまたまH&M (ファストファッションブランド) を覗いてみたら「1,000円で近いデザインの指輪が!」という様な体験をしたことはありませんか?

なんとなく経験的に「ジュエリーショップにあった指輪は本物で、ファストファッションブランドのものは偽物だから金額が全然違うんだな。」と感じられるかと思いますが、価格差があり過ぎてモヤモヤしてしまうことも。

もちろんジュエリーやアクセサリーの金額は宝石の有無や種類、ブランドによっても大きく異ります。ただ、「本物・偽物」と感じる価格差の多くの場合は「そのアイテムに使われている金属」に起因することが多いのです。

そこで今回は金種による金額の違いや、購入したアイテムを長く使っていくにあたっての耐久性や修理についてお話させて頂きます。

※こちらの記事は金属の種類による価格や耐久性の違いのお話です。作品のオリジナルと贋作についての内容ではございません。

 

ジュエリーとアクセサリーの違いと使われている金属

ジュエリーと呼ばれる品物の地金部分には貴金属が使用されています。それに対し、卑金属 (貴金属以外の金属) を使用した商品をアクセサリーと呼ぶことが多いです。

しかし、現在ではレアメタルも指輪やピアスなどに使われる様になり、線引きは曖昧になってきました。

まず初めに貴金属・卑金属・レアメタルのそれぞれの具体的な素材名をご紹介します。

ジュエリー素材 (貴金属)
プラチナ
アクセサリー素材 (卑金属)
亜鉛
ニッケル
スズ
ステンレス
アルミ
線引きが曖昧な金属素材 (レアメタル)
チタン
ジルコニウム
タンタル

ジュエリー素材の金属は身を飾るアイテムとして一度は耳にしたことがあると思います。アクセサリー素材は文房具や工具など日用品に使われる素材が多いですね。レアメタルについては金属アレルギーを回避する素材として近年人気があります。

 

貴金属と卑金属では部材料金が大きく違う

早くも、今回のお話しの一つの結論になってしまうのですが、ジュエリーとアクセサリーの金額に大きく開きがある理由は、金属部材の素材単価が大きく異なることにあります。

業者間の取引価格でも貴金属はグラム (g) 単位で取引されているのに対し、それ以外の金属については最小単位でもキログラム (kg) で取引されています。一例として、宝石の留まっていない指輪の金額の内訳は次のようになります。

貴金属素材を使用した指輪
貴金属料金 + 加工料金 + デザイン料金 = ジュエリーリングの料金
貴金属以外の素材を使用した指輪
非常に安価な金属料金 + 加工料金 + デザイン料金 = アクセサリーリングの料金

ジュエリーとアクセサリーに使われている素材の単純な価格差は少なくて数十倍、大きくて数千倍です。そのため、商品として世に出てくるアイテムについてもジュエリーとアクセサリーでは大きな価格差が生まれる訳です。

レアメタルについてはキログラム (kg) 単位で取引されることが通常です。しかし、指輪やネックレスなどの製品に加工する際は、特殊な環境が必要になるため加工料金が高くなり、ジュエリーとアクセサリーの中間的な金額になることが多いです。

貴金属と卑金属で金額に差の開きがある理由

では、なぜ部材の金額にここまでの差が出るのでしょうか?それは世界的な産出量の違い、つまり希少性の差によるものです。貴金属は貴重な金属ということですね。中でも金は古くから貴重な金属として世界中から愛されています。

参考: 金 (ゴールド) の歴史と物質としてのちょっとディープな話【第一講】

 

ジュエリーやアクセサリーの「耐久性」と「修復性」

ここまで、ジュエリーやアクセサリーを金属素材面から見た金額の違いと価格差の理由について考察してきましたが、続いて「どの位の期間使い続けられるの?壊れたら修理はできるの?」という「耐久性」や「修復性」についての比較をご紹介します。

レアメタルについては当店で販売・お修理共に取り扱いしておらず、十分なデータが無いため割愛させて頂きます。

ジュエリー素材・アクセサリー素材の耐久性

ジュエリー素材 (貴金属)
「身に着けること」を念頭に置いて合金化された金属のため、耐久性が高い。
アクセサリー素材 (卑金属)
「日用品」に使う素材を転用して作られているため、柔らかかったり錆びやすいなど耐久性は低い。

ジュエリー・アクセサリーの修復性

ジュエリー素材 (貴金属)
溶解温度が高く加工性の良い金属のため、破損した際や調整が必要になった場合などに溶接修理を行うことができる。
長期使用を見込んで、細かな箇所にも手間をかけて製品化されていることが多いため、修復しやすい。
アクセサリー素材 (卑金属)
溶解温度が低いため、高い熱を当てると溶けたり割れたりすることがあるため、破損箇所の修復が困難。
「使い捨て」を前提としてローコスト志向で作られていることが多いため、修理できないことが多い。

この様に、ジュエリーとアクセサリーの耐久性・修復性の面では圧倒的にジュエリー素材が勝ります。

  • 長く使い続けたいもの
  • 美しさを保って使いたいもの

については「ちょっと高いな」と思ってもジュエリー素材の金属を選んで購入する方がオススメです。反対に、

  • 流行に合わせてシーズン毎に使い捨てで着け変えたい
  • 似たデザインの商品がジュエリーとアクセサリーにあって、先ずはお試しで着けてみたい

といった時はアクセサリー素材の品物を選ぶと良いかもしれません。

 

まとめ

金額はアクセサリー素材が圧倒的に安いですが、耐久面や修復面を気にするアイテムではジュエリー素材を選ぶ必要があります。ブランドによってはアクセサリー素材しか販売が無い場合もあるので、ご購入前に仕様をご確認頂くことをオススメします。

当店では、ジュエリーとアクセサリーの両方のお修理を承っているのですが、ジュエリーのお修理に比べて、アクセサリーのお修理では承ることができない場合や、大きなリスクをご承諾頂かなくてはならないケースが多いです。

かと言って、必ずしも「購入するならジュエリー素材の方が良い」とは思いません。アクセサリー素材の場合は、特性をよく理解した上で購入することで、ジュエリーとは違ったサイクルで気軽に楽しむことができます。

ジュエリー・アクセサリー両方を上手く使い分け、コーディネートの幅を広げるヒントにこちらの記事がお役立てたら嬉しいです。

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