刻印があれば安心?ジュエリー・アクセサリーの貴金属刻印の信用性

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最近ではネットショッピングでジュエリーやアクセサリーを購入される方も多いと思います。直接お店に行かなくても様々なデザイン・価格のアイテムをお家でゆっくり選べるところがネットショッピングの魅力ですよね。

しかし、実物を見ることができないので、サイズの表記があっても「思ったより小さかった! (大きかった!)」や「ネットの画像よりも質が悪かった」ということも。中には「シルバーだと思って買ったのに偽物だった!」というケースも聞きます。

イメージと違う品物が送られてくることはもちろんショックですが、買った品物が原因で金属アレルギーを起こしてしまうと後々の体のケアが大変になってしまいます。それだけにネットで購入する場合は特に金属の種類を気にかけて購入することが重要です。

しかし、問題は刻印されている金属の種類と実物の金種が異なる商品があることです。一部の不誠実な業者による場合が多いのですが、後から「騙された!」となってしまわないためにも、金種刻印について詳しくご説明していきます。

 

金属の種類を表す刻印とは?

金属の種類を表す刻印を金種刻印、又は金性刻印といいます。アイテムやメーカーによって打刻されている場所が異なります。

金種刻印が打刻されている主な場所

アイテムやデザインによって金種の刻印が打刻されている場所が変わります。刻印される主な箇所は以下の通りです。貴金属 (プラチナ・金・銀) 以外の金属は金種刻印が打刻されていないことが多いので、刻印が見当たらない場合はメッキ製品の可能性があります。

指輪
指輪の内側に打刻されていることが多い。
ネックレス
ネックレスの端、特に留め金具の受け側に打刻されることが多い。
ペンダント
裏面や側面に打刻されることが多い。
ピアス・イヤリング
ピアスは針、イヤリングは金具の底面、又は裏面に打刻されることが多い。
バングル・ブレスレット
バングルの裏面、ブレスレットは金具に打刻されることが多い。

金種刻印の代表的な例

次に金属を表す刻印はどのような文字・形式で打刻されているかをご紹介します。簡単に刻印の意味を解説しておりますが、もっと詳しく刻印の意味についてご興味のある方は「なるほど!金の指輪やプラチナネックレスに記された刻印の種類と意味」をご覧ください。

ゴールド (金) を表す刻印

「K」や「KT」と純度を10/14/18で表すケース (例: 18KT、K18、14K、10Kなど)
国産品では「K18」のように先にKが付くことが多い。海外では「18K」のように後にKが付くことが多いです。
純度を1000分立で表すケース (例: 750、585、415など)
750は18金、585は14金、415は10金を表す。18金は75%、14金なら58.5%が金であるという意味になります。

プラチナを表す刻印

「Pt」や「Pm」と純度を1000分率で表す (例: Pt1000、Pt900、Pm850、Pmなど)
一般的に900は指輪やピアス、850はネックレスに使われることが多いです。PtやPmのみの場合は純度は不明です。

シルバー (銀) を表す刻印

「SV」と純度を1000分率で表す (SV950、SV925、925、SVなど)
標準的な純度は92.5%でスターリングシルバーと呼ばれる。925など純度のみの表記や、SVのみの刻印の場合もあります。

その他の刻印

金張りや金メッキ (例: GF、GPなど)
金張り (GF = ゴールドフィルド) と金メッキ (GP = ゴールドペイント) の違いは工法による厚みに違いがあります。

 

金種刻印の打刻にルールはあるの?

金種刻印の打刻には国によるガイドラインや法律などのルールは定められておりません

また検査士資格なども無いので、誰でも金種刻印を打刻することができます。当店の「つけて帰れるフリーサイズ・シルバーペアリング作り体験コース」のワークショップでも、銀製の指輪を作る際にお客様ご自身で金種の刻印を打刻する体験をして頂いております。

金種刻印のルールには一部例外がある

「誰でも金種刻印を打刻することができます」と書きましたが、一部例外があります。日本の国旗が金種刻印の隣に打刻されていることがあります。この刻印は造幣局が検査を行い、金種と純度を満たした場合に押される「ホールマーク」という証明記号です。

 

急増している金種刻印や検定マークのニセモノ問題

現在まで日本は品質に厳しい文化土壌がありましたので、特にルールを設けなくても各メーカーが倫理観を持って打刻するかたちで問題はほとんどありませんでした。また造幣局検定印についても偽造した犯罪などはあまり起こっていませんでした。

しかし、ネットショッピングの発達により海外から流入してくるアクセサリーやジュエリーの量が増え、現在は状況が変わってきています。一部では金種や純度を満たさない刻印が打刻されている製品も増え、新たな仕組み作りが必要な状況になっています。

 

注意すべき金種刻印・金種説明の3つのケース

実際の金属の種類と打刻されている刻印が違う問題の多くはamazonなどのショッピングモールサイトで起きています。現状では、まだサイト側で十分な対応がなされていないため、モールサイトで購入される場合には自衛する必要があります。

ほとんどの場合、完全なウソにならない様なグレーなラインで商品説明を行い、金種刻印を打刻しているように見受けられます。購入しようと思った品物が、これからご紹介させて頂くケースに当てはまった場合は注意しましょう。

①明らかに見た目と刻印内容や説明が違う

明らかに説明と見た目や刻印内容が違う場合は、購入を控えるかお店に問い合わせましょう。例としては、見た目がプラチナ色なのにゴールドフィルドと説明されていたり、実際に「GF」や「GP」などの刻印が打刻されている場合です。

ゴールドフィルドとは金張りのことなので、見た目の濃淡はあっても金色です。輸入品を販売しているお店の中には詳細を理解しないまま販売しているお店もあるのでご注意下さい。ただ誤表記の可能性もあるので、欲しい品物がある場合は問い合わせましょう。

②金属の種類ではなく色を説明・刻印している

商品名では「シルバー」や「ゴールド」と表記されていて、商品説明には「ゴールドカラーの~」と説明されているケースです。この場合、商品には金属の種類を示す刻印は無い様ですが、場合によっては「GOLD」や「SILVER」と刻印されていることも。

この様な刻印は違法ではないかと思われるかもしれませんが、先述の通り、刻印の打刻にはルールがなく、見た目の色を刻印することが禁止されているわけではないので、罰せられることもありません。

③メッキの種類を刻印している

最近見かけた中で特に怖いと思ったケースです。商品説明は「シルバー925」や「K18」と表記していて、説明文には「正真正銘のスターリングシルバーメッキを使用して~」などと書かれています。このケースでは刻印も打刻されていることが多いです。

メッキの成分を刻印することは違法ではなく取り締まることはできないと思われますが、本体の表面に施されている数ミクロンの成分のみを刻印表記することは明らかな誤認商法です。説明をしっかり読んで確認してから購入するようにしましょう。

 

金属アレルギー反応がある = ニセモノ?

「買ったばかりのネックレスをつけていたら痒くなってしまったから、これはニセモノだ!」と思われる方もいらっしゃると思います。確かにニッケルやスズなどが使われているアクセサリーは金属アレルギーを起こしやすいので、その可能性はあります。

しかし、金属アレルギーも食品のアレルギーと同じく、人によって影響のある成分が違うため、金やプラチナに反応してしまうこともあるのです。また、18金や10金にも銀と銅が混ぜられているので、それらの金属と反応しているケースも考えられます。

金属アレルギーにつきましては「ピアスをすると耳がかゆい!?金属アレルギーの原因・対策・予防方法」で解説させて頂いておりますが、金属アレルギーを起こしにくいサージカルステンレスやチタンの場合でも人によっては反応が見られます。

必ずしも金属アレルギー反応が出てしまったから、そのジュエリーやアクセサリーがニセモノであるという訳ではないので、すぐに破棄したりせず、購入店や皮膚科、相談できるお店に聞いてみましょう。当店でも金種成分の確認を承ります (内容により応相談)。

 

まとめ

金種刻印と偽物の問題については、現状では予防がなかなか難しい状況にあります。特に実物を見ることができないネットショッピングの場合では、購入したい商品の説明と刻印内容をよく確認し、信用できると思ったショップで購入して下さい。

後から「騙された!」と、ならないためのポイントは次の3点です。

  • 金属の種類を気にして買う
  • 金種刻印だけを信用し過ぎない
  • 不安があったら販売店に問い合わせる

金種刻印への知識を深めて、ジュエリー・アクセサリー選びをより楽しんで頂けたら嬉しいです。

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