金、プラチナ、銀、ジュエリー選びの参考に!貴金属の種類と特徴

オーサー
公開
更新

ジュエリーやアクセサリーに用いられる希少な金属を貴金属と言います。金、プラチナ、銀貴金属にあたります。それに対し、銅、亜鉛、真鍮など近年アクセサリーに用いられるようになった素材は卑金属と呼ばれます。

卑金属は安価な分、劣化が早い、金属アレルギーを起こしやすい、加工性が良くないなどのデメリットが多いため、アクセサリーの表面にはゴールドフィルドなどの貴金属を使用したメッキ・張り加工されているものが多く見られます。

金、プラチナ、銀は他の金属に比べて圧倒的に産出量が少ないため「貴金属 (とうとい金属)」と呼ばれているのですが、これらの金属は単に希少なだけではなく、他の金属にはない特性を持っています。今回はそれぞれの貴金属の特性をご紹介していきます。

 


金 (Gold)

金は貴金属の中でも、最も古くから重用されてきた金属です。その歴史はメソポタミア文明 (紀元前3500年) まで遡ります。当時から貴重な素材であったため、しっかりと計量・管理されていました。

メソポタミア文明では12進数が使われており、当時の計量方法の24分率での表記が現在でも採用されています。金が100% (純金) なら24金になります。ジュエリー用途でよく使われるのが18金 (75%)、アクセサリー素材として人気なのが10金 (41%) ですね。

金が100%ではない場合、残りの金属は何か?と気になるところですが、残りはほとんど銀と銅で構成されています。

銀と銅の割合によって色が変化します。銀と銅が8:2ならグリーンゴールドに、5:5ならイエローゴールドに、2:8ならピンクゴールドへと変化します。余談ですが、金にパラジウムというプラチナ族の金属を混ぜたものが、ホワイトゴールドです。

ホワイトゴールドの地の色はクリームがかっているため、上からプラチナ色のメッキをかけることが一般的です。

金は単体だと柔らかいため、曲がりやすく傷つきやすいので、他の金属を混ぜることで強度をコントロールします。ジュエリーに18金が多用される理由は、75%が最適と考えられているからですね。

金に比べて銀や銅は安価ですので、金の純度を下げると価格も変わります。ご結婚指輪などの大切に使っていきたいジュエリーは18金、デザインを重視したアクセサリーは10金にするなど、目的によって素材を選ぶ方法もひとつのアイデアです。

 


プラチナ (Platinum)

プラチナと、後述します銀については1000分率で表記されます。これは、プラチナや銀が金に比べて新しい素材であるためです。プラチナは日本で特に人気があり、2000年初頭まではジュエリー素材用途のプラチナ使用率は日本が世界一でした。

通常、Pt900 (90%) のプラチナが一番よく使われます。ネックレスチェーンではPt850 (85%) が一般的です。理由としては金と同じ様に、ジュエリーとしての扱いやすさや、耐久性が挙げられます。

混合素材はパラジウムや銅がよく使われます。プラチナ自体が「輝く白色」なので、色の表現としてではなく硬さを目的として混ぜられます。特殊な例にPt1000やPt950などもあります。

Pt1000は主に婚約指輪や結婚指輪に使われます。これは「純プラチナ = ピュア」というイメージや、金属アレルギーの軽減を目的としていることが多いです。純プラチナは柔らかいので、実際には特殊な金属を0.1%ほど混ぜて作られているようです。

Pt1000に混ぜられている微量の金属は各メーカーによって非公開であることが多いです。そのため、加工の面で指のサイズが変わった際のサイズ直しのお修理できない場合もあるので、ご結婚指輪などでPt1000を選ぶ場合にはご注意下さい。

Pt950は「プラチナの純度が高い = 他店よりも上質のジュエリーを扱っている」というブランドイメージを目的として使われることが多いです。加工の面では特に問題ありませんが、通常、サイズ直しの場合に足される部材はPt900になります。

地の色が「輝く白色」のプラチナは、メッキの必要がなく、劣化しにくいです。そのため、変色の心配が無く、アレルギーを起こしにくいので、アレルギー症状を起こしてしまったご経験のある方や、結婚指輪などの長く着け続けるジュエリーには特にオススメです。

 


銀 (Silver)

1000分率で表される銀の純度のうち、一番多く使われるSV925 (銀が92.5%) はスターリングシルバーと呼ばれています。また、SV950 (銀が95%) もよく使用されます。こちらはシルバーブランドによく見られる純度です。

銀は単体ですと金属アレルギーを起こしにくいため、一部ではSV1000のジュエリーやアクセサリーも作られています。プラチナと同じ様に、こちらも少量の特殊な金属を混ぜることで、品質を安定させているようです。

ジュエリーショップで見かける銀のアクセサリーには、ロジウムやニッケルといった「メッキがかかっているアクセサリー」と「メッキがかかっていないアクセサリー」があります。前者は銀色が長続きし、後者は徐々に黒くなります。

メッキ加工されている銀はメッキが剥げてしまうまでは光沢が続き、されていない銀は革小物のように変化を楽しめるというメリットがあります。お好みによってお選び下さい。ただし、メッキ加工されている銀の場合にはメッキの種類に注意する必要があります。

現在一般的に多い種類のメッキはロジウムメッキという種類ですが、ニッケルメッキがかかっているシルバーアクセサリーは金属アレルギーを起こしやすいので、肌の弱い方は避けた方が良いでしょう。メッキの有無や種類を購入前に確認するようにしましょう。

銀は金やプラチナに比べてリーズナブルな素材ですので、カジュアルなペアリングやプレゼントにオススメです。デメリットは、金属としては柔らかい素材になりますので、加工方法やアイテムによっては宝石のついたデザインは石が外れやすくなってしまいます。

 

まとめ

金、プラチナ、銀は違った特性を持っています。それぞれの特性を頭の片隅に置いておいて、シチュエーションに合わせて適切な貴金属選びをすると今よりももっと深くアクセサリーやジュエリーを楽しめると思います。

また、万が一お気に入りのお品物が壊れてしまった場合にも、金属の種類を覚えておくとお店で直してもらう時に役立ちます。

当店ジュエリー優では、ご結婚指輪などのオーダーメイドや、お持ちのジュエリーのリフォームを承る際には、使用する貴金属の素材についても、使い心地やアレルギー、お洋服とのコーディネートなど、様々な観点からご相談を承っております。

また、「持っているリングやピアスの素材成分が知りたい!」という場合も無料でお調べします (お預り後3~4日で分析結果をご連絡)。アクセサリーやジュエリーの成分が気になる方や、お修理などの加工をご検討の方はお気軽にご相談下さい。

そして、ワークショップ「横浜指輪工房」のふたりで作る手作り結婚指輪・ペアリングコースでは、18金・10金の各色 (イエロー・ホワイト・ピンク)、プラチナ、銀の計8種類の金属の中から、お好みの金属を使用して指輪作りが楽しめます。

貴金属についてもっと知りたい!という方はLINEやメールからお気軽にご連絡下さい。それでは引き続き、ジュエリー・アクセサリーライフをお楽しみ頂けたら嬉しいです。

  • はてなブックマーク

関連記事

最新記事

前の記事
春爛漫パールフェア2018開催中です!
次の記事
ジュエリーポエム「火紋」 ジュエリー 百のお話