最近では、結婚指輪やペアリングを購入する際に、出来上がっている指輪を選んだり、オーダーメイドでお店に依頼して作ってもらう方法以外にも、自分達で指輪を手作りすることができるワークショップ型の工房も増えてきました。
ワークショップを利用しての指輪作りは、指輪そのものを手にすること以外にも、指輪を作っていく工程や時間もお二人で共有できるため、結婚指輪やペアリングを選んで購入する方法とはまた違ったワクワク感と価値を感じます。
多くのジュエリーワークショップ工房では、金属を加工して指輪を作るコースと、ロストワックスという蝋 (ロウ) 素材を削って指輪を作るコースのどちらか、または両方のコースがあり、お二人が楽しく指輪作りができるように準備しています。
この「金属」と「ロストワックス」の素材の違いによって、指輪のつくり方・難易度・受け取るまでに要する時間などが異なります。今回は両方の工法を比較しながら「金属」と「ロストワックス」それぞれのコースのメリットとデメリットをご紹介していきます。
金属を使った指輪作りの特徴
ワークショップ工房で金属を加工していくコースでは、プラチナ・金・銀の棒材を使用して指輪作りをすることが多いです。
どの金属も硬いため、金属を使ったコースの作業は、金属を曲げて指輪の形に整える・指輪を指のサイズの大きさに合わせて溶接する・金属を叩いて模様をつけるなどの叩く・火を使うといった作業がメインになります。
ロストワックスを使った指輪作りの特徴
選んだ材料を指輪の形に曲げて作っていく金属から作る方法に対し、ロストワックスを使用する指輪作りのコースはドーナッツ型の柔らかな蝋 (ロウ) 素材をヤスリなどで削り出して指輪の形を作る方法です。
ロストワックスで作る指輪は蝋素材ですので、作った指輪は店舗でお預かりしてから型取りする「鋳造」という工程を経て実物の指輪になります。つまりロストワックスのコースでは指輪の元型を手作りするイメージになります。
「金属」「ロストワックス」それぞれの工法のメリット・デメリット
金属を使用して作るコース、ロストワックスで作るコースのどちらかが完全に優れているといったことはありません。それぞれにメリットとデメリットがありますので、これからご紹介させて頂くシチュエーションによる比較をご参考にしてみて下さい。
指輪作りの「難易度」のメリットとデメリット
- 金属から作る場合 (オススメ度△)
- 「削り過ぎてしまった。」などのミスがあった時にリカバーが難しいです。また、フリーサイズリング (一部が開いている指輪) 以外では溶接が必須になり、店舗スタッフの補助が必要なため、お二人だけで指輪を完成させることは難しいかもしれません。
- ロストワックスから作る場合 (オススメ度〇)
- 蝋素材なので削りやすく扱いやすいです。ミスをしてしまった際にも修正したい箇所に蝋を盛り直すことができるので、リカバーも比較的に簡単にできます。お二人だけで指輪を完成させることができる初めて指輪作りをする方に適した方法です。
作っている時の「指輪の見た目」のメリットとデメリット
- 金属から作る場合 (オススメ度〇)
- 金属部材がそのまま指輪になるので、作っている最中に指輪のサイズ感や幅、光沢など出来上がりのイメージが付きやすいです。
- ロストワックスから作る場合 (オススメ度△)
- ロストワックスは不透明な青・紫・緑色なので、削り終えた時点では実際の金属になった時のイメージが少しつきにくいです。
出来上がりまでにかかる「時間」のメリットとデメリット
- 金属から作る場合 (オススメ度〇)
- 作った指輪が完成品になりますので、短日数での受け取りが可能です。作った当日に受け取ることができるお店も多いです。
- ロストワックスから作る場合 (オススメ度△)
- 作ったロストワックス型を元に、ご希望の金属へ鋳造することが必要になるため、2週間~1ヶ月位の時間を要すことが多いです。
まとめ
今回は手作り指輪をワークショップ工房で作る際の、お店やコースの選びのヒントをご紹介させて頂きました。「金属」と「ロストワックス」はどちらにも利点がありますので、ご希望のシチュエーションに合わせてお選び頂くと良いと思います。
お店の方針によってコースの設定も異なります。ご結婚指輪の場合でも金属から作るコースを用意しているお店も多数ございますので、「金属のコースで結婚指輪を作りたい!」という場合はインターネットなどで検索してお店に問い合せてみて下さいね。
こちらの記事がお二人の手作り指輪ワークショップ工房選びのお役に立てたら嬉しいです。